「満足度」
これは、自分たちがゲストにサービスを提供する上で、どの事業においても大事にしている一つの指標です。
「自分たちのゲスト向けサービス提供において『満足度』は大事」
これは間違いないです。
でも、「満足度って大事じゃないんだよな」って思ってることがあります。
アンケートで大事なのは「満足度」か
自分たちも色々なシーンで、アンケートを取ることがあります。
「あなたは○○(イベント・講演・ツアー)について、どの程度満足していますか。次の中から選んでください。」
「良かった点は何ですか?」
「改善点は何ですか?」
この設問は、基本的なフォーマットです。
言ってみれば無難。
そして、そこに疑問を持つ人はあまりいません。
起業した直後に、研修講師の仕事をしていた時も、共有されるアンケート結果は同様の質問でした。
その時に感じていたことが、大事だけど、それが本当に大事なのか、という感覚でした。
研修って「満足だったか」より「学びがあるほうが有意義なのでは」と思ったり、「いや、でも、モチベーションをあげることが目的なら、満足だったか、でよいのかな」と感じたり、もやもやしてました。
結構、アンケート結果って意図的に数字をあげにいくことが出来ます。
・若手はあまり否定しない
・テキスト+αの、+αを意識する
・基本ほめる。特に、最後の方に、改善している感を出す。特に盛り上げる
意図的に上げる中で、大事なこともあれば、小手先のテクニックもあります。
アンケート結果の数字に拘って、小手先のテクニックに走ると本末転倒なことになってしまいます。
それと同時に、ツアーであれば「満足してもらう」ことが目標なのに対して、講演やセミナーとかでは「満足」が必ずしも目的ではなく、「行動変容」が目的なこともあるからだと感じています。
これは、最近観光領域で行う研修やワークショップにおいても何が目的かは考える必要があります。
「あなたはまた来たいと思いますか?」
そんな質問でもよいかもしれません。
最近、NPS(Net Promoter Score)が普及して、「顧客が商品やサービスをどれくらい友人や同僚に勧めたいか」という質問も増えてきましたが、もっと目的に応じた質問があってよいと思います。
盲目的に「満足度」を聞き、一喜一憂する前に立ち止まろう
それを踏まえると、「満足度99%」みたいなキャッチコピーも見かけますが、数パーセントの違いで一喜一憂する必要がないとも思ってます。
そもそも、何でアンケートを取るか、というと、参加者の感想を見える化して、比較可能にして、次に活かすことです。
95%→97%にあげることに意味があるか、はケースバイケースです。
「何でそう思ったのか」という定性的なコメントの中に大事な示唆が埋もれていることが沢山あります。
・何を目的としたイベント・企画だったのか
・何のためにアンケートを取るのか
・そのアンケートをどう次に活かすのか
このあたりの問いと向き合うと、アンケートの設計からもう一段レベルアップする気もします。
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とはいえ、先日のTabinaka Summitのアンケートでも、「満足度」を聞いてしまいました。
突然、別の聞き方を提案するよりは、満足度が無難かなと思ってしまった自分がいます。
そして、9割の方々には満足したと答えてもらったのですが、1割の方はそうでなかったことを踏まえて、なんだいなんだい、といじけている自分もいてのこの投稿です。
偉そうに書きながら、そんな背景があります。
満足度は大事。
でも、満足度が全てじゃないこともある。
貴重なご意見をたくさんいただいたので、それが財産です。
次に活かしていきます。
でも、Tabinaka Summitでいうと、全員が満足する企画を目指さなくてよいかな、とも思ってます。
一部の人は不満があっても、多くの人が大大大満足する企画の方が、価値はあるかな、と。
今回で行くと、企画・運営の反省もありながら、もう一つは、イベントの内容を事前に参加申込する人に伝えられてなかったというのも大きな反省点です。
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主催してアンケート取る側からすると、「満足した!って回答しながら建設的な改善点を伝えてくれる人」がほんとキラキラ輝いて見えるので、サウイフモノニワタシハナリタイと思いました。


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