第9話 10ホテル回って営業したけど成果ゼロ。気付いたツアーの魅力の伝え方

ツアー誕生ストーリー

tripadvisorに口コミがたまってきて、徐々にツアーは回るようになってきた。

tripadvisor以外のチャネルも広げていかないといけない。そう感じた僕たちは、ゲストが滞在しているホテルをまわって、コンシェルジュの方からゲストを紹介していただけないかと考えた。

もう少し振り返ると、2014年の創業時に僕たちはゲストハウスを作ろうとしていて、品川にあるゲストハウス品川宿で修業をさせてもらっていた。

そうした御縁もあったので、2015年にツアーをはじめるにあたって、「期間限定半額で参加できます!」っていうパワポに毛が生えた程度のチラシをツアー開始直後に、ゲストハウスに置かせていただいていたりした。

しかしながら、うんともすんともリアクションはなかった。
今思うと、半額と言えど、5000円程度するツアーは、宿泊費が3000円程度だったゲストハウスの利用者からするととても高く見えただろう。

ツアーをはじめてみると、実際に参加してくれるゲストは、5つ星ホテルに滞在している方が中心だった。

だったら、そこにアプローチすれば、、、と思ってのアクションだった。

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これまでのシリーズ投稿はこちらからご覧ください。

ツアー誕生ストーリー
1万人を超えるゲストを迎えたツアーの誕生から現在までの7年の成長記録です。 ツアーの企画・運営に興味がある方は是非ご覧ください。ツアー造成・ガイド育成・販路拡大・OTA活用等のリアルが見えてきます。

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コンシェルジュの方々に突撃訪問してみたら・・・

今でこそコンシェルジュ協会に参加させて頂いたり、レ・クレドール ジャパンのアフィリエイトとして日本全国のコンシェルジュの方と仲良くさせて頂いているが、当時はコンシェルジュというと雲の上の方という存在だった。

どこから関係性を作ればいいだろう。

確か、どこかのコンシェルジュの方は人伝いに紹介していただいた気がする。そこで、「チラシを置くならスペースの関係でA4三つ折りが良い」と言った情報を入手して、チラシを作ったような、、、いや、これは最初に突撃した後の話だったかな、、、時系列があやふやだが、とにかく多くのホテルに、いきなり訪問した。コンシェルジュ協会のホームページを見て、コンシェルジュがいるホテルのあたりを付けて河野有(@yukono1017)と手分けをして挨拶に伺った。

コンシェルジュの方はチェックアウト時やチェックイン後は忙しいだろうと考え、確か昼からチェックイン前の時間帯あたりを目指した。

皆様、さすがホスピタリティのプロフェッショナル。

怪しい営業をする僕たちが訪れても皆様笑顔で受け入れてくれた。

「築地でツアーをはじめまして、3時間半で色々食べて文化にも触れられるツアーです」

僕たちはツアーの概要を説明するとともにチラシを渡した。

「では、興味があるお客様がいらっしゃいましたら紹介しますね!」

コンシェルジュの方にもそういって頂き、これが次に繋がれば、、、と思った。

10以上のホテルをまわったと思う。
どこも似たような反応ではあった。

悪くはない反応だったし、期待もあった。

しかしながら結果からすると、まったくリアクションはなかった。
いや、1,2件はあったのかな、、、記憶にはない。

ある言葉にハッとさせられて打った次の策

うーん。。。
どうしたら、ホテルのコンシェルジュの方々からゲストをご紹介いただけるだろう。

そんな時にコンシェルジュの方と話していて、「自分たちは自分たちが体験したものしか紹介しない」という話を聞いた。

ゲストに紹介する以上、その体験が満足いくものでないと責任が取れないとのことだった。

プロとして、当たり前と言えば、当たり前の話なのだけど、僕たちは当たり前のことが抑えられていなかった。

そこで、コンシェルジュ向けのモニターツアーを行うことにした。

当時は、コンシェルジュの方々とも接点は薄かったので、企画して来てくれるかどうかは自信は持てなかったが、やってみるしかない。

以前に名刺交換はさせて頂いていたので、各コンシェルジュにご案内させていただいたところ、結構多くのホテルのコンシェルジュの方に、モニターツアーに参加いただくことになった。

当時、海外からのゲストも凄い勢いで増えてきて、築地に関して質問を受けることもある中で、築地に行ったことのないコンシェルジュの方もいて、築地の視察がてら参加してくれたといった方もいた。そういった意味では、タイミングもとても良かったんだと思う。

モニタツアーに参加いただいたことで、ツアーのイメージを具体的に持っていただくことが出来たこともあるのだろう。チラシを配った時は全く反応がなかったが、モニターツアー後はたまに相談を頂けるようになった。

体感いただいたことで、目の前のゲストをみながら、「この人には合いそうだ」と言った判断をしてもらえるようになったんだと思う。

そして、このモニターツアーの接点をきっかけに、コンシェルジュの方々との関係が密になり、コンシェルジュ協会にも加入させていただくことになった。関係性が深くなる中で、築地ツアーだけでなく、プライベートツアー、相撲見学等、色々ご相談いただくようになったし、色々な機会でご一緒させていただいている。感謝しかない。

百聞は一見に如かず

もちろんウェブマーケティング上、アイキャッチ画像をどうするとより多くの人にクリックされるか、とか、どんなタイトルがツアーの魅力を来訪者に伝えられるか、とかも大事だ。

ただ、魅力を知ってもらうには、実際参加してもらうのが一番だ、ということはこの時改めて感じて、その後、いろんなOTAの担当者にもご参加頂いたりと、OTA活用のベースにもなっていたりする。

「遠い存在だからと足踏みせずに動いてみること」「魅力を知ってもらうにはプレゼンより体感」これはこの時の学びでもあった。

P.S.
今はホテルのコンシェルジュもOTAの担当者も旅行会社も大忙しなタイミング過ぎるので、機をちゃんと見るのも大事です。そうした部分で、相手の立場を考えてサービスを提供する人なのかを見られている気もします。

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