「現実を視よ」読了:とても共感できる一冊でした

ユニクロの柳井正社長の著書「現実を視よ」を読んだ

先日、電車の中で他の方が読んでいるカバーを見て、
タイトルが気になったというのが本を手に取った経緯

積極的なグローバル展開を進め、
社内公用語の英語化を積極推進する社長はどのようなことを考えているのだろう

それも単純に気になったし、
それに加え、個人的に関心の高い「政治」に言及していたのが
「買って読む」という行動につながったのだと思う

Amazonの書評では賛否両論あるようですが、
個人的には、とても共感できる一冊であったし、読んでよかったと思う
多くの人に読んでもらいたいと思う

特に、繰り返し引用されていたジョンFケネディの一節

ask not what your country can do for you
ask what you can do for your country.

国が自分たちに対して何をしてくれるのかを問うのではなく、
自分が国に対して何を出来るのかを問え

なんだか、深い言葉だなと思った

「政治家が悪い」「官僚が悪い」
「民主党はだめだ」「自民党はだめだ」

好き勝手いうが、
官僚はともかく政治家を選んでいるのは自分たち

原因他人論にしているうちは、自分たちの生活は良くならない

政治家の方に話をお聞きする機会もあったし、
周りに官僚の方も多くいて話をすることもあるが、
直接話を聞くと個人個人は全うな考えを持っている
すごい日本のことをよく考えている

ただ組織の中で思うように行かないジレンマを抱えている印象を受ける

それがリーダーシップの欠如と言ってしまえばそれまでなのだけど、
彼らを裏で動かしているのは、国民一人一人だ

どうやったら変わるのか
一筋縄ではいかないものだが、
考えないことには、動かないことには変わらない

メディアは視聴率稼ぎ、販売部数稼ぎのために、
人を、組織を、おもしろおかしく叩きたがるが、そんなメディアにのせられちゃダメだ

むしろそんなメディアは敬遠することで、
メディアにとって利益が無い(視聴率/販売部数が稼げない)ことを思い知らせ、
正しい方向にメディアを持っていくくらいの気概があってもいいのだと思う

「現実を視よ」

50兆円程しか収入が無く、90兆円超の支出がある日本

著書の中では、政治に経営的視点をと言及しているが、
別に経営でなくとも家庭の視点で考えればいいのだと思う

50万円しか収入が無いのに、
常に90万円支出する様な家庭があるだろうか

ましてや、奥さんや子どもの機嫌取りのため、
さらに借金をしてプレゼントをするということを
ホントに家族は望んでいるのだろか、望むべきなのだろうか

「現実」を知っていれば否だろう

給料やボーナスがカットされる世の中において、
お小遣いは削減され、
外食が自炊になり、ビールが発泡酒になる

まずは支出を減らそうとする
それが現実だ

「プレゼントいる?」と甘い声をかけられても、
我慢している人が多いのではないだろうか
(そもそもそんな提案すること自体希有だと思うが)

支出を減らしながらも、
いつの日か発泡酒をビールに戻せるよう頑張る
お小遣いの交渉をするため収入が増えるよう努力する

支出を減らしながらも成長を目指す
それが現実だ

不況だからといって、その中で成長している企業がある
不況だからといって、収入が増えている家庭はある

「日本の成長は頭打ち」とメディアは言うが、成長の戦略は必ずある

みんな何となく分かっているのだろうけど、
集団となると違った方向に向かう傾向にある
次の選挙も近いが、是非個人として何が出来るか考えたい

まずは、歳入と歳出の項目を調べるところから始めようかな

P.S.
本の中で触れられているユニクロの話も興味深いものがありました

英語公用化がメディアに取り上げられているけど、
一方で日本に来た外国の方には日本語を教えているというのも初耳でした

頭打ちの産業における数少ない成功事例だとは思うし、参考になることは多い

フリースがヒットするだいぶ前からユニクロのファンでしたが、
今後も日本発のブランド「ユニクロ」の展開には個人的に期待しているし、
注目していきたいと思ってます

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