「コロナからどう戻るか」の『議論』に意味はない

事業

よく「コロナから観光はどう戻っていくと思いますか?」という質問を頂きます

もうね、あのね、なんていうかね、
色んな言説がネット上に溢れてるよね

そこに来て、自分個人の意見にどう意味があるんだろう、とか考えます
同時に、相手が何を求めてるんだろう、とも考えてしまいます

言ってしまえば、議論に意味はありません
間違いない

だって・・・

誰も正解なんて知らないし、どうなるかなんて神のみぞ知るからです

有名な人が楽観的な意見を言って安心したり、悲観的な説が出て落胆したり・・・
なんか意味あります?
明るい未来を話した方が聴き手は喜ぶのかなとか考えちゃいますが、
一喜一憂している場合じゃありません

丁寧に言えば、議論には意味があるんだけど、
議論をし続けていることに意味はなくて、
決めたシナリオに沿って前に進めていく必要があります

誰か未来を知ってるんじゃないかと青い鳥を求めていつまでも議論してしまう

でも、シナリオを創る材料はもうある程度揃ってます
誰も未来なんてわかんないんだから自分なりのシナリオは仮説で書くしかない

もちろん新しい情報に常にアンテナを張っておく必要があります
ただ、行動する前提となるシナリオ仮説を創るのは個人個人です

仮説はもう書ききっちゃいましょう
んで、動きましょう
そして、違ってたら修正しましょう

どんなシナリオだって、なんかのチャンスを掴めるのは、
今議論している人じゃなくて、行動できる人です
PDCAを高速回転させている人です

シナリオを立てるうえではいろんな切り口があります

1.近い国から戻っていく(アジア⇒欧米へ)

よく言われるのは、遠距離への移動が敬遠され、
東アジアや東南アジアから旅行者が戻ってくるのではないかという説

旅費が安かったり、旅行期間が短くて済むというのも一因としてあるかと思います

2.集団免疫を獲得した国から戻る

危険だと思うかもしれませんが、
集団免疫を獲得した国は自国の国境を早く開けることになるという考え方もあります

集団免疫を獲得した国同士なら、気を遣わずに人の行き来が始まるかもしれません

3.抑え込んだ国から戻る

逆に台湾等、抑え込みに成功している国から、
国境が開いていくという考え方もあります

感染者が入国するリスクが少ないという意味では、
受入側の国が早く開く可能性は高いです

4.受け入れを割り切った国・地域から戻る

いずれにせよ、旅行は、
出る側のゲートと、入る側のゲート両方が開かないと始まりません

「うち来てもいいよ」「歓迎します!」って宣言した場所に、
人は集まっていくことでしょう

5.衛生面で安心感のある国から戻る

安心感が伝わる国から戻る可能性もあります

万が一発症しても、
医療の受入キャパがあるか、秩序がしっかりしているか、
国として人道的な対応をしてくれそうか、爆発的に広がらなさそうか、

先進国の方が信頼が高いかもしれません

[2020/5/28 追記 ]

6.ワクチンの普及した国から戻る

ワクチンができるまでに18カ月くらいかかるという話があります

そこから量産され、普及するのは更にその先です
量産されたワクチンをどこが手に入れ、どこが早く普及できるかも大事になりそうです

[2020/5/28 追記 ]

7.ビジネスから戻る(ビジネス⇒留学生⇒旅行者)

国とは別に目的別の軸も考えられます

ビジネスは世界的に限界を迎えている会社もたくさんあります

そうした点を考えると、
多少のリスクがあってもビジネスの人の流れは少しずつ戻り始めるでしょう

8.地方から戻る

「三密」を避けるから、地方に人が行くんじゃないかという説があります

たぶん日本人はそういう行動をするでしょう
ただ、外国人は、受入側が敬遠する可能性があるのと、
情報不足によりそこまで移動しないかもしれません

9.都市から戻る

地方から戻るの全く逆で都市部から戻っていく可能性もあります

木を隠すなら森に隠せ

地方に行くとよそ者は目立ちますが、都市部は目立たないので、
逆に自由に旅をすることが出来るのではないかと感じたりします

10.個人旅行者⇒団体で戻る

団体旅行はしばらく敬遠されるという話も耳にします
密が生まれやすいというのはその通りでしょう

ただ、なぜ団体旅行があったかというと、安かったことも大きな一因です

経済合理性の力は強いので、団体もワクチン出来たらすぐ戻るかもしれません

11.政治的判断に左右される

そして、なんだかんだ一番大きな要因がこれです

2月ごろを思い出してもらえればわかりやすいですが、
政治的パワーバランスのもとに世界は動いています

安全か否かとは別に、国境は開いて人が移動し始める可能性もあります

12.第二派の有無の可能性を踏まえる

全く違う切り口で言えば、第二派が来る可能性もよく言及されています

シナリオを立てる上では考慮しておかなくてはいけない要因でしょう
もし来ても耐えうるビジネスモデルを設計する必要があります


考えれば考えるほど、わかりません

だって、正解はないから

こんな時は、どんなボールが来ても打ち返そうと思って、打席に立つしかないんです
来た玉全部フルスイングするくらいの勢いです

でも計画なくフルスイングしていると船は思った場所に進めないので、
間違っててもいいからシナリオが必要で、それは決めちゃえばいいだけです

バンバンひっくり返すシナリオを創って、
まずはどんどん行動に移していきましょう

って、自戒の念を込めて書いてみました

P.S.
そんなこと言っておきながら、金曜日に、コロナ後の世界について議論しちゃいます
無料ですし、ご都合つけば是非↓

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