東京の宿泊料金が高く、安宿が少ない理由

連日、インバウンド(訪日旅行)のことをニュースで見かけ、
2020に向けて、一層の盛り上がりを感じます。

「さぁ観光で日本を元気にしよう」
「まずはゲストハウスをつくるんだ!」

なんて意気込みながら、
ゲストハウスを形にできないまま、1年が終わろうとしています。
最初半年は、ゲストハウスで修行させて頂いたりもしたのですが、
今はそれもちょっと足が遠のいている状況です。

そんな折、こんなニュースを見かけました。

日本国内9都市でホテル宿泊料金が上昇、訪日外国人増加で東京は17%増の1万5000円超えに -Hotels.com

ホテルズドットコム(Hotels.com)の2014年上半期の「Hotel Price Index(HPI)」によると、日本国内のホテル宿泊料金が調査対象の9都市すべてで増加した。
1部屋1泊あたりの平均宿泊料金の増加率1位は横浜で、前年比25%増の1万2082円。次いで、福岡が21%増の1万230円、大阪が19%増の1万1812円。平均宿泊料金が最も高い東京は17%増で1万5000円を超えた。

思えば、「ゲストハウスをつくるんだ!」と意気込んだ背景には、
旅をする中で、日本への旅行のハードルは宿泊料金なんじゃないかと思ったことにあります。

旅をする時の最低限の費用って、「移」「食」「住」の3つだと感じました。
ふと、日本を顧みると、
移動は、高速バスや外国人旅行客専用のジャパンレールパスを使えばそんな高くない。
食事も、牛どんやうどんを3ドル、2ユーロで食べられる国なってそうそうない。
ただ、いかんせん住=泊まる場所はどうも高そうだと思ったのです。

日本って、物価が高い高いっていうイメージを持たれがちだけど、
多くは「イメージ」であって、宿泊費用を抑えればもっと観光が活性化出来るはずだって思ったんです。
今も、その考えに間違いはないと思っています。

そんな思いと逆行して高くなる東京の宿泊費用。

もちろん、
高級外資ホテルの積極進出により押し上げられている部分もあると思います。

ただ、ゲストハウスを開こうと思って、
それだけではない、構造的な問題を感じました。

それは、開店コストです。

素人目に、「一軒家借りて二段ベッド運び込めば宿になる」それくらいに考えていましたが、
そうは問屋がおろしませんでした。
宿を開くとなると、旅館業法の認可が必要になります。
その認可を取るためには、消防法などその他諸々の法律の条件を満たす必要があるんです。

既に認可を取っているところならまだしも、
新たに取ろうとなるとざっと数千万円のコストがかかるとのこと。

なんと。

数千万円。

考えてもいませんでした。

近年では、旅館業の空物件は相当競争が厳しいとのこと。
ラブホや廃業する旅館といった物件に運よく巡り合えればいいのですが、
そうでないとのしかかってくる数千万円。

数千万円かけて、それを回収するとなると、
「安宿」っていう選択肢はどうしても取りづらくなってしまいます。

結果として、東京に安宿は増えないのだと思います。

とはいえ、蔵前のNuiさんのように改装費かけてでも回している事業者もいるので、
工夫次第というところでもあるのかもしれません。

もう少し安価で開業できるようにしてもらえないかなー、
と言ったところで負け犬の遠吠えみたいですが、
行政側からすると、中心地から少し離れた町村であっても、
旅館業の規制を緩めることで観光を活性化できるかも、とかチャンスもあるのかもしれません。

機会があれば、そのチャンスを掴めるよう、
準備はしておきたいなと思います。

コメント