今日、昔の同僚たちとの集いでパレスホテルに行きました。
かのパレスホテルといえど、向かったのは、
高級レストランではなく、地下のレストラン街。
そんなパレスホテルに、初めてカジュアルな姿で訪れた自分。
しかも、ママチャリをせこせこ漕いで向かいました。
最近、チャリでいろいろ行動しているのですが、
ちゃんとしているところは、ちゃんと駐輪場を完備しているもの。
東京ドームホテル然り、虎ノ門ヒルズ然り。
しかし、駐輪場を発見できないまま、車寄せに入ってしまいました。
駐輪場があるか聞こうと、
自転車を降りて車寄せにいる方に話しかけました。
「地下のレストラン街に行きたいんですけど、
駐輪場ってどこかにありますか?」
するとその方はご丁寧に、
「この建物の裏側になります。」
「これからご案内するので、ついてきてください」と言います。
裏側っていうと少し距離がある場所です。
自分で行けばいいかな、と思いながら断ろうか悩んでいると、
「歩くにはちょっと距離があるので乗って頂いて、ついてきてください」
…と促して、彼は、軽く小走りで走り出しました。
彼は、高級ホテルの入り口を任され、パリッとした服を身にまとっています。
一方の僕は、高級ホテルに似つかわしくない、
レストラン街に迷い込む、カジュアル、ママチャリのちんちくりんです。
なんだろう、このギャップ。
自転車に乗って、走る彼を追います。
彼は、自転車の僕が頑張るでもなく、抑えるでもない、
相手に気を使わせない適度な速さでスタスタ走ります。
表の車寄せから、裏の駐輪場まで、100m強はあると思うのですが、
さわやかに走ったうえで、まったく息を切らさずこう言いました。
「こちらが駐輪場で、こちらが近い入口になります。」
この時点でもう感動ですよ。
「宿泊じゃなくて、こんな(ラフすぎる)格好の、
ただの来客者にまでこんな対応してくれるんだ!」と。
そして彼が笑顔で言ったもう一言。
「良いご夕食を、お過ごしください。」
ほえー。
これが高級ホテルってやつですかね。
皆がこのレベルなんでしょうか。
完全に感動を超えて、パレスホテルのファンになりました。
彼はそう言い残すと、来た細い道を颯爽と走って戻っていきました。
カッコよすぎる!
感動に浸りながら、自転車を停めて、レストランに向かいました。
普段から、走る練習もしてるんですかね?
ちょっとした距離を結構なスピードで走って息が上がらないというだけで、
中々なものだと思うんです。
それに加えて、その状況で、
一糸乱れない姿勢で、相手の状況を踏まえた気遣いの言葉を送れることって、
とてもすごいことだと思うんですよね。
ちなみに、
ホテルマンの姿勢そのままの
ピンと背筋が伸びたランニング後姿だったということも、
個人的に更にツボに来たマニアックなポイントでした。
そして、爽やかに去っていく。
いや、絶対普段から走る練習もしているに違いない。
去年、パレスホテルの結婚式にも出席させてもらいました。
その時は、卒がなく質の高いサービスを特に意識することなく、
ただ、美味しい食事と素敵な景色を楽しんでいました。
サービスの凄さって、
ある程度のレベルまで達すると、普段はそこまで顕在化することないけど、
ちょっとイレギュラーなときに、こうして、ゲストの心に刻まれるのだなと感じました。
あらためて今日あの人のサービスに触れて、
こんなところだったら、最高の時間を過ごすことが出来そうだな、
自分もこういうところで式を挙げたいと思うだろうな、と思いました。
1年前に来たゲストを覚えていたリッツカールトンも凄いなと思ったけど、
今日出逢ったパレスホテルの人も凄かった。
そんな後の、パレスホテルの地下のイタリアンで夕食。
良い時間でした。
自分もあの人のサービスへの姿勢を見習って来週から頑張ろう。
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