「世界で訪れるべき旅行先」盛岡(2023年)に見るニューヨークタイムズの影響力と山口(2024年)が狙うターゲットとは

観光雑感

先日、ニューヨークタイムズが「2024年に行くべき旅行先52か所」を発表し、それに山口市が選ばれたことがニュースになりました。

▼参照:NHKの記事

“行くべき旅行先 52か所”に山口市 ニューヨーク・タイムズ | NHK
【NHK】アメリカのニューヨーク・タイムズが、世界の旅行先で「2024年に行くべき52か所」を発表し、日本から山口市が選ばれました…

▼元記事はこちら

52 Places to Go in 2024
No matter why you travel, our list offers inspiration.

国宝「瑠璃光寺五重塔」が改修中ということもあり、「2024年じゃない!」っていう突っ込みもありますが、海外で知名度の高いメディアに取り上げられることは、プロモーションにおいてとても効果の大きなことでもあり、山口市、山口県の皆様、おめでとうございます。

ただ、メディアに載ることはゴールではなく、いかに多くの人に来て楽しんでもらうかが目的でもあり、これからが大事です。

昨年は、盛岡市が選ばれて出身者が「じぇじぇじぇ以来の岩手のチャンスだ!」と言っていたのが印象的でした。先日あった人が「盛岡選ばれたのに、岩手に泊まっている人増えてないんですよね」と言っていたのが引っかかって、ちょっと統計を覗いてみることにしました。

現時点で、2023年10月までの宿泊旅行統計調査が発表になっていたので、1月-10月で2019年と比較をしてみたところに、確かに岩手の宿泊者数は8割弱という状況でした。

いや、でも、実際に盛岡にいる人からは、「2019年より街中で欧米の人をよく見かける」という声を聞きます。

そこで、時系列・国籍別等で見てみました。

時系列でみてみると、8月までは下回っていたものの、2023年9月からは2019年実績を上回っています。

また、国籍で見てみると、当たり前のことを数字で確認することが出来ます。

岩手県はコロナ前もコロナ後も台湾からのゲストが圧倒的に多くいます。また、コロナ前2番目に多かった中国が大きく減少しているため、結果、全体の宿泊者数は2019年比で減となっています。

しかし、ニューヨークタイムズのお膝元アメリカを見るとなんと2019年比147%ということで、約1.5倍のゲストが来ていました!これは、ニューヨークタイムズの影響が一定あるとみてもいいのではないでしょうか。

ちなみに、アメリカ人の訪日来客数は2019年が172万人、2023年が205万人で、伸び率は18.7%でした。
それと比較しても大きく伸びていることがわかります。

なお、47%を超えて伸びているのは、マレーシア、カナダ、インドネシア、スペインの4か国。
カナダあたりは、ニューヨークタイムズの影響な気がしますが、他の国への影響度合いはわかりません。

ヨーロッパには意外と影響がないのかなとも感じましたが、ヨーロッパやタイはそもそも訪日客数自体が落ちている中で健闘しているという見方もできます。

訪日客数比 2019vs2023/岩手県宿泊客数比 2019vs2023
・台湾:86%/78% 
・香港:92%/100%
・中国:25%/26%
・米国:119%/147%
・タイ:76%/130%
・オーストラリア:99%/97%
・韓国:124%/39%
・シンガポール:120%/129%
・マレーシア:83%/229%
・英国:76%/113%
・カナダ:114%/153%
・フランス:83%/135%
・ドイツ:99%/131%

これを踏まえると、今年選ばれた山口市においては、北米をメインターゲットに受入体制の強化等施策を考えていくのが良いのかなと思います。

山口県の宿泊者数を見てみると、なんと、韓国に続いて米国が多いという状況。
これは2024年の伸びも楽しみです。

個人的に山口市の担当者だったら、まずは徹底的に盛岡市をはじめ、過去の受賞市のケーススタディをします。

盛岡も昨年度一定の成果があったのでは、と宿泊数実績を見て思いますが、様々な取り組みをした結果だとみています。

1月に発表されて、2月には盛岡市を推薦したライターの人に再訪問してもらっています。
予算を事前に確保しないと動きづらい行政において、このスピード感は感心しました。

ニューヨーク・タイムズ紙「2023年に行くべき52カ所」に「盛岡市」が選ばれました!!
盛岡市公式ホームページ

単にインバウンドに活用するだけじゃなく、このようにシビックプライドを盛り上げる動き等も含め、一つの参考になる取り組みだと思いますし、盛岡市・岩手県の担当者に「これをしておけばよかった」を聞くとわかりやすい改善が出来そうです。

簡単ですが宿泊統計調査を覗いてみました。

盛岡市、山口市だけじゃなく、他の日本の市町村はどこがいつ選ばれてもおかしくないポテンシャルがあると感じています。いつ選ばれても万全の準備ができているように自分たちも関わる地域を盛り上げていきます。

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