日本に必要なのは戦略的えこ贔屓と寛容性だ

観光雑感

観光地で、観光案内所で尋ねます

「ここで、これを食べとけ!ってありますか?」

そうすると、蕎麦だ、うどんだ、団子だ、おやきだ、その土地の名物を教えてくれます。

「この飲食店がおすすめってあります?」

そう聞くと、「いやー自分の立場で特定のお店を紹介できないんですよね」と言われたりします

観光協会が運営していたりすると、加盟店舗との関係もあり、
どこかをお勧めするとハレーションが起きることを懸念しているようです

「じゃぁ、お兄さん/お姉さんのお勧めは?」
「ここだけの話、、、」「じゃぁ普段行ってるお店教えてください」

あの手この手の聞き方をして、たまに教えてもらうこともできますが、
はぐらかされておしまいのケースも多々あります

これ、誰得なんだろう

来訪者のニーズを満たしていないし、満足度は上がらない
お店側的にもワクワクしたお客様を送客してもらえるわけでもない
あるのは、加盟店舗からのクレームをなくすということ

メリットを最大化するのではなく、
リスクを最小化しようという考え方

悪くはないと思うんですけど、
今の時代、腹をくくってリスクを抱えてでも攻めないと、
単に、コストの垂れ流しになってしまいます

観光案内所がミッション・ビジョン等を持ってスタッフを育成しているかわかりませんが、
「観光情報を提供する場」ではなく、
「地域の満足度を最大化させる場所」にアップデートする必要があるはずです

どこかのお店をストーリー付きで紹介されれば、ゲストはより楽しむことができます
紹介されたお店ももちろん悪い気はしませんし、
「お勧めされた」ことがスパイスとなり、美味しければ満足度はさらに増すはずです

紹介されないお店が僻むかといえば、
その可能性はありますが、紹介される努力をすることにも意味があると思うんです

加盟店舗しか紹介できない、とかそんな小さいこと言わずにやればいいと思います
「お金払わないと、便宜の供与しないよ」ではなく、
先にメリット感じてもらえれば恩を感じるはずです
メリットを感じれば、加盟してくれるかもしれません

みんなが切磋琢磨しながら取り組む中で来訪者の満足度を上げていく

結果として、各プレーヤーにも絶対メリットがあるはずです

昔から日本は変なところでの平等にこだわっている気がします
特に協会や自治体のように共同出資した財源が絡むとその傾向は顕著ですが、
広く薄く平等にやっても、ただただお金は溶けてなくなってしまう場合も多々あります

メリハリをつけて投資をし、成果を出していくこと
成功事例を作って、みんなをその気にさせて横展開すること

その方が、お金が無駄にならず、効率的に全体を底上げすることができる場合もあります

「戦略的えこ贔屓」

これが、これからの時代、大事になってくると思うんです

もちろん、メリハリをつけて投資されたところはより大きな恩恵を受けれるでしょうし、
成功事例を作る対象としてもらったところは、ラッキーな存在だと言えるでしょう

「あそこだけ、ずるい!」

エコ贔屓をしようとすると癒着が起きたりするので注意が必要ですし、
不透明性が出てくると、うまく機能しないこともありますが、
そこを含めて、戦略的に活用していけば、地域の未来に繋がるのではないかと感じています

クレームが来るかもしれないから辞めておこう、ではなく、
多少クレームが来ても未来を創るんだ、という胆力を持つ寛容性

「あそこだけ、ずるい!けしからん!」とクレームを言うのではなく、
「あそこだけ、ずるい!けどうちも頑張ろう」と受け入れる寛容性

徐々に変わってきているとは感じていますが、
「戦略的えこひいき」と「寛容性」が成長には必要です

もちろん、目指すべきビジョンが明確であり、かつ、誠実であることは大前提ですが

これって、観光に限らず、
いろんなことに当てはまりそうだなとも感じてます

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