熱い「愛」がインバウンドで必要な理由

観光雑感

特に熱く河野(@yukono1017)が語っていることではありますが、自分たちの会社は「愛」を大事にしています。
何の研修の時でも、講演の時でも、大体最後は自分も「愛が大事」という話で締めてます。

時々、自治体や企業から相談をいただくこともありますし、多くのガイドさんともお会いしますが、
逆説的にいえば、インバウンドでは「愛が足りないから上手くいかないんだよなぁ」と感じることもあります。

「愛」が足りないと、なんでうまくいかないのか、
「愛」があれば、どういうことができるのか、ちょっと考えてみました。

プロダクトアウトではなく、マーケットインの発想

いきなりのカタカナ用語ですみません。
自分も最近使い始めたのですが、使いやすい言葉なので、使わせてもらいました。

プロダクトアウト:作り手の理論や計画を優先させる方法
マーケットイン:受け手のニーズを重視して企画・開発を行うこと

「愛」は、相手のニーズにこたえていく力として大事だと思っています。

「作り手がいいと思うものを作る」プロダクトアウト自体がいい悪いはないと思いますが、
センスのない作り手が、いいと思うものを作って売るとどうなるかは、誰もが想像つくと思います。

 

内面も外面も美男美女な人は、自分を受け入れてくれる人探し、で事は足りますが、
多くの人は、相手が好きなものって何だろう、どうやって応えていこう、って試行錯誤すると思うんですよね。

 

自分がいま商品化できるものをどうやって売るか、という視点ではなく、
相手が望んでいるものをどうやったら商品化できるか、という視点を持つこと。

自分が伝えたいことを話す、という視点ではなく、
相手が知りたいと思ってる情報をどうやって伝えるか、という視点を持つこと。

この発想って、相手に対する「愛」があるからこそ、
何とかその希望にこたえたいっていう気持ちが芽生えてくるものだと思います。

あるモノを売るのではなく、欲しいものを創るのって、
そういう視点を持つこと自体ものすごいパワーがいります。

だから、愛が必要なんです。

 

「なんだかダメそうだから」「上司の理解が得られなさそうだから」
「施設の利用ができなさそうだから」「法律的に難しそうだから」・・・

まずはよくわからない制約は取っ払って、
何をすれば相手にこたえられるかを考えましょう。

 

結果につなげるもうひと踏ん張りの粘り

でも、視点が、自分視点から、相手視点になっただけでは、十分ではありません。

次に、その視点を、形にしていかなくてはなりません。

0から1の計画を立てることも大変ですが、
それを実行に移していくのには、もっとパワーが必要です。

 

「いや~、あの子は細マッチョが好きなのか、
おれ、今はちょっとぽっちゃりだけど、頑張って絞ろう!」

なんて思っても、なかなか行動に移すと大変です。
つい甘いものに手を出しちゃったり・・・

 

そんな時、あとちょっとのもうひと踏ん張りが、結果につながってきます。
そのひと踏ん張りできるかどうかが「愛」の強さです。

ツアーの造成で言えば、
もう一歩お店と交渉して、スペシャルな体験を引き出すとか、
プロモーションで言えば、
ゲストに対して、最後に口コミを書いてもらうひと押しをするとか、
運営で言えば、
ガイドさんにもう一歩突っ込んだお願いを全般的にするとか、
ガイドで言えば、
ガイド中油断せずゲストの一挙手一投足を見逃さないとか、

そんな、
ちょっとしたことだけど頑張らないとできないひと踏ん張りが「愛」だと思います。

 

自分たちのツアーを振り返っても、
ゲスト1人の時に(赤字だけど)休日返上で出ていって(もちろん振替休日はなし)、
次につなげる最高に楽しい時間を提供してあげたことが今に繋がってる気がします。

「え、休日に出ていくんですか?代休貰えます?」

そんなスタンスの人には負ける気もしないですし、
そんなスタンスの人は、立ち上がりづらいと思います。

ブラック企業だ、とか言われるかもしれませんが、違います。

好きだからやるんです。好きだからできるんです。
それが「愛」なんだと思います。

(もちろん愛をもって従業員の働き甲斐や、人生の充実も考えます。)

 

「法律的に難しそうだから・・・」というのなら、法律を変える、までいかなくても、
こういう体制ならグレーだけど行けるというのを見つける、そのひと踏ん張りが大事です。

 

結果につながる思い続けることの大切さ

ちょっとうまくいったかも…と思っても、なかなか続かないのがインバウンドです。

口コミが大事、って言っても、
ダイレクトな口コミなんて物理的な距離もあるのでそう伝わりません。

同じ人が2回来るなんてほとんどなく、
その人の周りに日本に来る人がいても数カ月後、1年後なんて当たり前です。

何が言いたいかって、
インバウンドは国内事業以上に立ち上がりに時間がかかるっていうことです。

 

だいぶ体も細マッチョになってきたのに、誘っても誘っても断られ、
ちょっと別の人に言い寄られたから、あきらめて他の人に行っちゃう。

もしかしたら、別の用事があって断られてただけで、もう少しで実ったかもしれないのに。

 

そんな感じの人って多い気がします。

インバウンド以外にビジネスをもっている会社が、美味しそうだと思って始めてみたけど、
ちゃんと立ち上がらせる前に見切りをつけてやめてしまう。

おもしろそうだと思ってインバウンドに取り組んでみた個人が、そこまで儲からないし、
桜と紅葉のシーズン以外仕事少なくて、他のビジネスに誘われて、あきらめてしまう。

 

その芽が出ない期間を耐え続け花を咲かせる。

これも「愛」だと思うんです。

 

自分の友人でも、何年も陰から見続けて、その愛を成就させた人がいます。
仕事でも、周りでうまくいっている人は、この想いの強さがあります。

変わらないって思ってた法律も、十年というスパンで見ると結構変わってます。
その裏には、必死に根気よく頑張った人たちの姿があります。

思い続ければかなう。

 

これって、別にインバウンドに限った話ではないと思います。
なんにでも共通していること。

 

でも、特に地方創生・インバウンド系は自治体からのお金も流れ込んでいて、
愛のなさを目の当たりにすることもよくあります。

案件とれたからできる範囲でやる:プロダクトアウト
仕様書にあることをやる:もうひと踏ん張りはない
予算は単年度:思い続けない

 

お金が流れるのはいいことですが、
愛ある人と夢ある未来を創っていきたいです。

いきましょう。

自分たちは全力で愛をもってインバウンドを盛り上げていきたいと思ってます。

 

▼ガイド研修時資料より

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