起業してから6年間、並行してロジカルシンキングなどのビジネススキルの講師をやってきました。
コンサル時代の4年間と合わせて計10年ほどロジカルシンキングにどっぷりでした。
そんな中で自分の役にも立って、受講生にも勧めてきた本をご紹介したいと思います。
本屋やアマゾンで見ると、たくさんの本があるけど、時代に揉まれてきた本が名著です
「ロジカルシンキング(論理的思考力)」とは?
ロジカルシンキングの定義は様々ですが、
情報を整理して(構造化して)分かりやすく伝える・考える、コミュニケーションツールだと思っています。
ビジネスの世界では共通言語化していて、
理解している人と理解していない人が会話すると、
それこそ意思疎通に時間や労力がかかったりします。
そして、まさに言語と同じように、一朝一夕で身につくものではなく、
ガッと一時期叩き込んだり、日々継続することでじわじわ身についていくものです。
よく、「ロジカルシンキングは、ピラミッド構造が大事だ」と言われます。
情報を整理して、結論・根拠を明確にしてあげること。
もちろん大事です。
一番伝えたいことを頂点に、ピラミッドのような形をしているからピラミッド構造といいますが、
このピラミッド構造がロジカルシンキングのベースとなります。
でも、より大事なのは、目的を明確にすることです。
目的がずれるといくらきれいに情報を整理してあげたところで、意味がありません。
相手は、「この仕事今週までに終わりそう?」っていうことを聞きたいのに、
勝手に「今何やってるの?」って聞きたいのだと解釈して、
「今は、○○に取り組んでます!」って偉そうに答えても滑稽ですよね。
でも、文字化されていないだけで、そんな滑稽なさまがあちらこちらで起こっているのです。
ロジカルシンキングを身に付けると、そんなズレを小さくしていくこともできます。
頑張っても終わりのない戦いなので、いつまでたっても、
あぁもっとこうやっておけばよかったって思うんですけどね。
「ロジカルシンキング」を身につけるお勧めの本5冊
本屋に行くと、ロジカルシンキングを学ぶための本がものすごいたくさん出ています。
そんな中で、古典ではないけど多くの人に親しまれ、基礎から身に付けていける5冊をご紹介します。
1.ピラミッド構造
「目的が大事!」なのですが、
まずは、ピラミッドの部分の基本をざっと学習しておくとその後の理解がはかどります。
そんなベースを学ぶにはこの2冊。
ロジカル・シンキング(照屋華子・岡田恵子)
最初に目を通したのは、就活中でしたが、その後も何度も目を通しました。
「メッセージ(So what)」「根拠付け(Why so)」「グルーピング」「MECE」というピラミッド構造で押さえるべき4つのルールって知ってますか?
知らない方はまずこの本を手にとってみましょう、というベースとなる一冊です。
そんな難しくないですし、網羅的に丁寧に書かれているので、おすすめの一冊です。
ロジカル・ライティング(照屋華子)
ロジカル・シンキングといっても、多くの方が活用するシーンでまず思い浮かぶのは、
議事録だったり、メールだったり、資料だったりライティングだったりするのではないでしょうか。
そんなときは、上述のロジカルシンキングの兄弟本、ロジカル・ライティングがおすすめです。
コンサルで働いているときに、
「ほんとにお前は文書がかけないね。一から学んで来い」と言われたときもこの本に立ち戻りました。
書くということに焦点を当てているので、
ロジカル・シンキングを読んだ上でこの本を手に取るのがおすすめです。
大体2冊ほど目を通すと、なんかよくわからないけど、なんとなくわかったような気にもなります。
大事なのは、実践の中で行動に落としていくことです。
行動に落としていって、ある程度経ってからまた本に目を通すと、
あぁそういうことか、という新たな学びに出会えます。
行動に落とす前に何度読んでみても、なんとなくわかったような状態から抜け出せません。
2.目的の明確化
ベースのピラミッド構造の考え方がわかり、行動の中にも落とせるようになったら、
「目的」をより意識してみると、更なる改善が見込めます。
ここからはじめてもいいくらい、本当に大事なポイントです。
論点思考(内田和成)
BCG元日本代表の内田さんの書いた論点思考。
「論点」に焦点をあてた一冊で、とてもわかりやすくまとまっています。
「論点」つまり、問いがずれると、いくら正解を求めてもしょうがないという、
当たり前っちゃ当たり前ですがとても大切なことが書かれています。
イシューからはじめよ(安宅和人)
もう一冊のおすすめは、イシューからはじめよ。
こちらは、マッキンゼー出身の安宅さんの書かれた本です。
BCGでは「論点」と呼び、マッキンゼーでは「イシュー」と呼ぶ。
書かれていることは(記憶の中では)とても似ていて、
どこいっても大切なことは一緒なんだなぁと思いました。
どちらか一冊でもいいですが、2冊読むと違った角度から理解が進むので、
「あっそうなんだ」と自分の理解も立体的に掴みやすくなるのでお勧めです。
お2人とも、見た感じは「ロジカル!」という固い感じではなく、
気さくなとても柔らかい雰囲気の方で、その人柄が本にもにじみ出て理解しやすく書かれています。
3.トップダウンで考える仮説思考
まずは、目的とピラミッド構造を押さえて、ひたすら実践繰り返すのみです。
ただ、ある程度まで行ったら、
トップダウンで考える意識をより強く持てると、仕事の効率は上がります。
そんなトップダウン思考を持つ際におすすめの1冊はこちら。
仮説思考(内田和成)
上述の論点思考の兄弟本でもある、仮説思考。
コンサルティングに入る前にこの本を読んだとき、セミナーで話を聞いたとき、
正直まったく理解できませんでした。
理系の人は、研究などで、仮説検証のサイクルがイメージしやすいと思いますが、
文系の人からすると、「仮説」という聞きなれない概念に戸惑います。
「あてずっぽうというか、勘でやって、そりゃデキル人はあたるでしょうよ」みたいな見え方をします。
でも、実際に問題解決を進めていく中で、仮説思考の大切さはとても実感しました。
個人的な体験から、この本を読んで理解できる保証はないですが、
こういう考え方があるんだというのを知るにはとてもいい1冊だと思います。
仮説思考ができるようになると、仕事のスピード・精度・質は格段に上がります。
以上おすすめの5冊でした!
(参考)読みづらいけど、読めば読むほど味が出る!?通好みの1冊。
研修のときに、こっそりもう1冊伝えることもあります。
そして、この1冊が、人によって「名著」と称える1冊だったりします。
その本がこちら。
考える技術・書く技術(バーバラミント)
この本を最初に読んだときの感想は、
「『書く技術』っていっときながらメッチャ読みにくい、何だこりゃ」です。
ロジカル・シンキングが嫌いになるレベルです。
周りの人に聞いても、大方「最初は、わかりづらいよね」って言う感想を持ってます。
だから、学び始めたばかりの人にはなかなかおすすめしません。
でも。
コンサルでシニアの方々は、この本を何十回と読んだという方がざらにいます。
多くの人が「繰り返し読むたびに学びがある」と言います。
食わず嫌いもなんなので、そして、壁にぶち当たったときのがむしゃらな気持ちで、
実際、コンサルに働いている間に何度か目を通しました。
確かに実践が伴ってくると、本への理解も進みます。
何度読んでも学びがある。
「名著」と呼ばれる由縁はそこらへんにあるのでしょう。
この本を6冊目として手にするかどうかは皆様にお任せします。
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