観光を軸にした地域活性化に必要なたった2つのもの

観光雑感

起業して2年半。観光で何かやろうかなと思って世界一周の旅に出て約4年弱。

いろんな観光地を見たり、観光についてずっと考えてきましたが、結局のところ、観光に必要な要素って、この2つだと現時点では行き着きました。

たった2つです。たった2つですが、どちらに、どうテコ入れするかを、戦略的に考えていかないと、そう簡単に観光を産業にしていくことはできません。

その2つをご紹介します。振り返ってみていかがでしょう?

「ナンバー1」「唯一」を誇れる魅力的なコンテンツ

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多くの地方に訪問すると、その土地の魅力を一方的に発信しているのを目にします。

どこに行っても「温泉」「桜」「寺社仏閣」「郷土料理」・・・

日本どこに行っても同じものがあります。
そんなどこにでもあるものは、旅の目的地になりづらいのです。

目的地になりづらい中、結局選ばれるのは、
ナンバーワンのものだったり、唯一のものです。
「一番近くていきやすい、箱根の温泉に行こう」
「3月の早いシーズンに見れて一番近くて手頃な河津桜を見に行こう」
「世界遺産の金閣寺を一度見たい」

「♪ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン」
なんて歌詞に、騙されてはダメです。

「もともと特別」なのは、地元の人にとってしか特別でないことが多く、
そこに訪れる人にとって「特別」と感じてもらえないと意味がないのです。

「いや、自分の場所には、そんなナンバーワンのものなんてない」
「唯一って言っても、そんなコンテンツない。」

そんなことを言う人も多いかもしれませんが、そこが知恵の絞りどころです。

箱根は、一番の温泉かどうかはわかりませんが、
「一番東京に近くて有名な温泉」としての地位は確立しています。

最近だと、長野県阿智村の「日本一の星空ツアー」が人気を博していますが、
きっとそんなツアーを始めるまでは、「何もない場所」だったのではないかと思います。

ちなみに、阿智村が、日本一だと称するのは、
今は休止している全国星空継続観察の結果によるものです。

ちなみにwikipediaに載ってた記録をみると、
各回の星空観測スポットは日本全国に散ってます。

  • 長野県阿智村(平成19年度23.7)
  • 岩手県一関市(平成19年度24.4)
  • 福井県大野市(平成20年度24.4)
  • 沖縄県竹富町(平成20年度24.5)
  • 島根県津和野町(平成22年度24.6)
  • 東京都小笠原村(平成22年度25.1)

ちなみに、星空の話でいくと、数値が大きい方が暗いということで、
長野県阿智村は必ずしも日本一と言えないのかもしれませんが、
言ってしまったもん勝ちのところもあり、
そして、そこから磨き込んで行ったもん勝ちということです。

こうやって、組み合わせなり、発掘なり、時には創出をして、
訪問者にとって魅力的なコンテンツを明確にすることがまず必要です。

大事なのは、単に「ナンバーワン」「唯一」ではなく、
「訪問者にとって魅力的に映る」ということです。

「日本一の星空」

その響き素敵ですもんね。

 

これ調べて、個人的には、成功している阿智村と、
一番暗い小笠原村に行きたくなりました。

 

 

おもてなしの熱意にあふれる現地の人々

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そんな阿智村が、なんで最近メディアにも取り上げられ、有名になったか。

僕自身行ったことないし、話をしたこともないので、推測の域を出ませんが、
そこには現地の方々の熱烈な思いがあったのではと思ってます。

これを絶対成功させるんだという思い。
多くの人に自分の町・村に来てもらいたいという思い。

そういう思いがなければ、
上述のなんちゃって日本一をベースに、
ここまで根気強くツアーを磨き込むことはとても難しかったと思います。

ほとんど無名の温泉地だった阿智村のナイトツアーは、2012年の開始からたった3年後の2015年には、年間6万人もの人を呼ぶ「人気スポット」に様変わりした。(参照:「曇りでも人気!『日本一の星空ツアー』の秘密」)

「たった3年で人気スポットに様変わりした」みたいですが、
3年『も』続けていくことは結構大変です。

「試しに数回やってみて、レポート書いて終わり」
そんな事例は掃いて捨てるほど大量にあります。

口コミが大事な情報源のご時世、継続していくことがものすごい大切です。

まず3年は続けること。
この継続していくためには、熱意にあふれる現地の人々が不可欠です。

単に「おもてなし」を掲げるだけではダメです。
その「熱意」がとっても大事です。

何が違うか。前者は受け身で、後者は積極的です。

「なんかしなきゃいけないけど、誰か何かしてくれるといいな」ではなく、
「何していいかわかんないけど、とりあえず何か試してみよう」ということ。

「来てくれた人に、満足してもらおう」ではなく、
「来てくれた人を、感動させてやろう」ということ。

「何かあたったらいいな」ではなく、
「これを流行らせよう」ということ。

そういう思いは、きっと伝わります。
そういう思いは、一つ一つの行動・サービスにも現れます。

 

 

観光が成功するためには、シンプルに、
「コンテンツ」と「受け入れ態勢」の2つだと思います。

この2つを戦略に落とし、
進んでいけばきっと明るい未来があるはずです。

 

改めて、自分たちの事業も振り返りながら、
熱量を持って磨き込みを続けていこうと思います。

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