コロナウィルスが拡大していく中で、今後さらに個人旅行化が進んでいくという論調があります
別にコロナが始まる前から、個人旅行化は進んでいました
「3密回避」が叫ばれる中、個人旅行化を改めて耳にするようになったけど、改めて数字とともに考えてみます
インバウンドにおける個人旅行化
インバウンドにおいても、ここ数年、個人旅行への移行がよく言われていました
観光庁が発表している統計でも顕著にその傾向は見て取れます
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特にこの傾向をけん引しているのは、中国の個人旅行化でした
中国に限らず、アジア諸国の個人旅行化が進んでいるのが見て取れます
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それと同時に、欧米諸国では、ほぼ個人旅行化が進行し、
この5年間では誤差の範囲でしか変動していないのが見て取れます
インバウンドで言うと、もう大分個人旅行化が進行しきった感があります
国内旅行市場における個人旅行の状況と「団体旅行」の定義
対して、日本旅行市場における旅行形態については、
日本交通公社「 旅行年報2018 」( 2018.10)を元とした分析を、
日本旅行業協会(JATA)のページで見つけました
日本人も国内旅行・海外旅行共に、既に8割は個人旅行化が進んでいます
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Source:JATA(2017年)
ただ、ここで注意してみておく必要があるのは、「団体旅行」の定義です
JATAの分析では、以下のような定義がされていました。
「団体旅行 」とは、①町内・農協・郵便局・信金・宗教団体・サークルなどが募集する旅行( 組織が募集する団体旅行)と、②職場旅行や招待・報奨旅行など、団体で行動する旅行( 会社がらみの団体旅行)であり、旅行会社のパック旅行に参加した場合は「 個人旅行 」に含めている
Source:JATA(2017年)
『団体旅行』と言っても、いくつか形態があります
日本では結構、4.5.のパッケージツアーも多い印象です
- 組織が募集する団体旅行
- 会社絡みの団体旅行
- 修学旅行
- 完全に旅程の決まったパック旅行
- 自由時間が多くフライトと宿だけのパック旅行
インバウンドの分析が「団体旅行(パッケージツアー)」と定義してたものと同様、
団体旅行の解釈を拡げると日本人の個人旅行割合はまだまだ低く、
まだ個人旅行化が進んでいく余地があると考えることもできます
団体・個人旅行のメリットを享受する新しい旅のカタチとは
ただ、これからも個人旅行化が進んでいくかというと個人的には懐疑的です
なぜ「パッケージツアー」がこうも日本で根付き、愛されているのか、
対して「個人旅行」のメリットは何かを考える必要があります
「個人旅行化が進む!」と主張している人の中には、
単に、団体は古くて・ダサいというイメージで語っている人もいるのではないかと思うのです
でも、考えてみれば、それぞれにメリットがあります
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「安い」とか「手軽・楽」と言った、コストを抑えられる経済的メリットは、
日本人の消費行動を考えた時に、大きな優位性を維持するポイントだと感じています
背景には、団体旅行がコストメリットを享受しやすかった
旅行業界の構造もあるように感じていますが、そこは別途触れるとして、
そのメリットを維持し続けられる間は、パッケージ旅行は残り続けるでしょう
自分自身の親を見ていてもパッケージ旅行に参加していますし、
「いや今の若い世代が年を重ねたら、、、」と考えても、
結局は新しいものについていけず楽なパッケージ旅行を選ぶ人が多いように感じています
それと、もう一つ、大事な点としては、
「団体旅行」と「個人旅行」は二者択一でないという点です
安くて、手軽で、自分の好きなところに行けて、気を使わなくてよくて、
「偶然」の楽しさもあって、みんなと一緒に旅できて楽しい!
同じ嗜好の仲間と一緒に旅をすることが出来れば、実現できるはずです
昔より、技術の進歩により、人が繋がっていられる輪も大きくなりましたし、
相手から得られる情報も増えた結果、嗜好が近い人と出逢える確率も増えました
旅の出欠等も格段に取りやすくなり、効率的に段取りが出来るようになったことで、
両方のメリットを享受できる「新しい旅のカタチ」が実現する土台は出来ています
パック旅行の進化と言えばそれまでですが、題して「コミュニティ型ツーリズム」
今後10年くらいで市場の大きくなってくる分野です
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