新時代の攻撃的観光案内所のススメ

観光雑感

「待っていて、聞かれた質問に答える」のが昔型の観光案内所でした

旅行者  「おすすめのレストランはどこですか?」
観光案内所「平等性の観点からおすすめできません」
旅行者  「いや、お兄さんのおすすめを聞きたいんですよ!」
観光案内所「個別のお店を勧められないんですよねぇ…」

・・・まじか!

観光案内所がコストセンターだった時代は終わりです

これからはもっと攻める観光案内所が求められます
そんな新時代の観光案内所はどんな機能を持っていくのでしょうか

物販をする

観光案内所のマネタイズを考えた際に、真っ先に思いつくのが物販です

既に取り組んでいる観光案内所も見かけますが、
並べることが目的化しているケースも多々見かけます

うまく、インセンティブがついていないんだろうな

そもそも観光案内所は、地域と観光客のゲートウェイです
なかなか難しい面もありますが、もっとうまく活かせるはずです

送客をする

加えて、冒頭のように送客に否定的な案内所も多いですが、
チケットを売ったり、周辺観光施設に送客をして、
マネタイズするというのも一つの手段です

会費制にして会員施設を優先的に案内するのか、
成果報酬的に売上の一定割合をバックするのか、
マネタイズにもいくつかのパターンが考えられます

案内の施設が偏るのでは?
不正が起こるのでは?
サービスの質は大丈夫?

様々な懸念があるかもですが、
「必ず複数の選択肢を提案する」
「ゲスト、スタッフ、施設皆に定期的にヒアリングする」
「ゲスト満足度をモニタリングする」等運用でカバーできます

有料ガイドツアーを催行する

更に観光案内所のスタッフを活用して有料ガイドツアーを行い収益化するというのも
一石四鳥な打ち手です

観光案内所と言っても1日の中で繁閑の差があります
少し余裕がある時間に空いているスタッフを活用してガイドツアーが催行出来れば
既存リソースをマネタイズすることが出来ます

そのツアーの評判が上がれば、
繁閑の差を平準化しながら、全体を引き上げ、街を盛り上げることもできます

観光案内所のスタッフは、勤務中は観光案内所にいるため、
街のことをよく知ってるかというと新しい情報を仕入れ切れていなかったりします
そんなスタッフがガイドとして街に出ることで街の人の顔が見ることが出来、
また最新の情報で、観光案内所に来る人にご案内することが出来ます

最後に、ガイドツアーが街の中で普及することで確実に消費拡大に貢献できます
人はうんちくを聞くと思わず、手に取ってしまうものです
「これ、ジョンレノンがよく飲んでたコーヒーです!」とか言われたら
気になるじゃないですか!

昨年、川越市で実証的に行ってみたところ、
可能性を感じた段階でコロナに突入してしまいましたが、絶対可能性があります

オンラインツアーで遠隔への情報発信を行う

リソースの有効活用の2点目は、オンラインツアーでの、時空を超えた情報発信です

観光地においても、
観光案内所を開けたばかりの午前中は人通りが少ないことはよくあります

とはいえ、スタッフの生活維持の観点から、
ピークの2時間だけ来てくれ、みたいな依頼もしづらいケースもあります

手が空いている時間に、Zoom等を活用して、
海外に向けてその観光地の魅力を発信してはいかがでしょうか

これまでは旅行博で、高い旅費かけて海外に出かけて、PRしていたかもしれませんが、
このコロナでオンラインコミュニケーションが一般的になったことで、
日本に居ながらにして観光地の魅力を世界に発信していくことのハードルが下がりました

朝早い時間が、アメリカのベストな時間だったりして、
より効率的に時間を使えるかもしれません

オンラインツアー単体で売上に繋がるかもしれませんし、
エリアとしてのコスト削減につなげることも可能です

どこよりもニーズに応えて通常の観光案内を行う

さてさて、マネタイズの手段を色々書いてきましたが、
これらの施策をすることで、単に経済的メリットが生まれるだけでなく、
地域との接点が強くなり、よりニーズに応えた観光案内を行えるというメリットもあります

より地域とのコミュニケーションも密になれば、働いている人の満足度も上がることでしょう


コミュニティスペース化する

「地域とのコミュニケーションが密になる」ことついでに言えば、
観光案内所が、地元の人が集うコミュニティスペースであることが一つの理想かも、と
考えることもあります

観光っていうのは、観光業の人とそれ以外の人に分かれるものではなく、
地域が一体となって、創り上げていくことですし、
地元の人そのものの存在が、旅行者にとって求めているものでもあります

観光案内所で様々な交流が生まれれば、きっと明るい未来に繋がります

まとめ:

さてさて、コストセンター化していて、「地図が貰える場所」程度の観光案内所も
工夫次第ではものすごく魅力的な場所にアップデートしていくことが出来ます!

殆どが税金で賄われている運営も、
3分の1は売上、3分の1は会費、3分の1は税金という形で、
多様な財源を創ることも不可能ではありません

なんか、こんな妄想を膨らましていたら、
自分たちでも一度手掛けてみたくなりました

チャンスをやるよ、という方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけ下さい

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