最初は自社のサイトで集客を行っていた僕たちも、いつしかOTAからの集客の割合が増えてきた。グローバルで広告を大きく張っているOTAの力は大きい。いつしか7割くらいはOTAから集客するようになった。
しかし、一方で、自社サイトを立ち上げていくべく、オウンドメディアにも2019年から力を入れて取り組んできた。直近30日間は80万PV超となって、パワーを持ってきたのだけども、その背景にあるOTAの動きについて触れておく。
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OTAの手数料っていくらだか知ってる?高いのよ
もうこの連載を読んでいる人はご存じだと思うが、海外向けOTAの手数料というのは意外と高い。
(参照:第12話 OTAに20%の手数料を払う!?タイミングを逃さないということの大切さ)
一般消費者的な目線では、「10%くらいかな?」というのが妥当な目線だと思うし、国内のOTAだともうちょっと低い水準だと思うが、現状20-25%というのがOTA手数料の目安だ。
グローバルな消費者に向けてリスティング広告を打ってくれたり、SEO対策をしてくれているという点で鑑みると、20%という数字が高すぎるとは思わない。
「高いな」という感覚はあるのだけど、だからと言って辞めるという選択肢ではなく、やるという選択をするわけで、「高すぎるとは思わない」という結論に至る。
「手取りが減ってしまう」というのであれば、希望の手取りに20%分の手数料を乗せて価格を決めればいいじゃないと思っている。
ただ、単に「高い」ことだけが、押さえておかなければいけない課題ではない
徐々に引き上げられてきたOTA手数料
第21話では物価上昇の話をしたが、コストの上昇という点ではOTA手数料も同様だ。
彼らも、戦略的に投資をしていた(初期の手数料を引き下げて掲載数を増やす)という点もあるだろうし、リスティング広告含めコストが高くなっていたり、人件費もあがっていたりするのだろうが、手数料は上昇傾向にある。
当初は「オフィシャルには15-20%だが、特別に10%でやるので掲載してください」というOTAもあった。でも新しく始める事業者に聞くと、徐々に徐々に手数料が引きあがっているのを感じていた。
極めつけは2020年2月にTripAdvisor/Viatorから届いた一本の英語のメール。
確か「これから手数料を22-24%に引き上げます」と言った趣旨の内容だった。
事業者によっては、20%→22-24%の引き上げだったのかなと思うのだけど、自分たちから見ると1.5倍値上げするという話だった。別に事前の交渉とかはなにもなく、たった一通の見逃しそうなメールでさらっと値上げを通告された。毎月数十万円値上げされるインパクトは大きい。
時を同じくしてコロナ禍に突入することになったので、その影響を肌で感じることは3年遅れて今やってきているのだけど、OTAに頼りすぎることのリスクをまざまざと感じた。
大事なのは脱OTAではなく、分散したポートフォリオ
だからと言って、「OTAは辞めたほうがいい」という話をしたいわけではない。
OTAは、初期立ち上げる際には、成果報酬だけということで低コストではじめられるし、圧倒的な集客力を持っている。それを利用しない手はない。
ただ、頼りすぎるのはリスクだ、というのも同時に感じたことではある。
そこで自分たちは、オウンドメディアについても力を入れようと思ったし、コロナ禍においても毎営業日更新を続けてきた原動力ともなっている。その結果、冒頭のように80万PVとなり、実際に自分たちのツアーの販売にも繋がるようになってきたし、これを武器にメディア単体でも価値を出していく事が出来るようになり、より筋肉質な体制になってきた。
(参考:blog.japanwondertravel.com メディアキット)
OTAに限らず、どこかに頼っていると脆さもある。
あるエージェントに頼っていれば、そこが倒産すれば終わりだし、自社サイトのSEO対策だけでもGoogleがアルゴリズム変えたら突然減るかもしれない。
安定して続けていくためには分散させていくということも大事になる。
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