近年、ウクライナ問題等もあり、物価上昇が著しいが、築地に関して言えば、2015年からずっと物価上昇が続いている。観光客が増え、需要が増えれば、価格を見直すのは経済的にも理にかなっているし、儲かる環境を創っていく事は大事なことだと思う。
ただ、ツアーを運営する立場からすると色んな影響も出てくる。
そのあたりを今回は振り返ってみたい。
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徐々に上がっていくツアー時の経費。納得できるものもあれば・・・
価格を決める要因は様々だ。
コストや需要等を踏まえ、総合的に判断される。
まったくの外部要因もある。例えば消費税。
2015年にツアーを始めてから、フードツアーで立ち寄る先々の価格変更もたびたび起こった。
冒頭でも書いたが、基本的にはお店が儲かることはとてもいいことだと思うし、持続可能な商売をして欲しいと思っているので、値上げ自体は悪い事じゃないと思っている。
小麦の値段が上がったので、、、燃料費があがったので、、、消費税を加算させてください。
そんな感じで、思えば当初から見ると値段は上がっていった。
中には、「夏場は冷蔵庫に入れる必要があるから50円プラスさせてくれ」みたいな話もあり、まぁそうだよな、、、と思って受け入れたが、夏が終わっても50円下がらない、、、なんてこともあった。
まぁそれぞれにそれぞれの事情があるのでそれもしょうがない
原価があがったときに僕たちが選択してきたのはこの3つ
原価の上昇はやむを得なかったし、これからも暫くは不可避だろう。
東京は最低時給1,000円を超えているが、最低時給引き上げの流れは今後も続くと思われ、それだけでも各事業者のコストとして乗っかってきて、それが販売価格の上昇に繋がる。
中には、元々300円だったものが、徐々なる値上げで600円になってきたものもあった。
そんな時に与えられる選択肢は3つだった
1.飲み込む
もはやちょっとの値上げだったら、何もしない、というのも一つの選択肢だ。
価格に転嫁して、需要が減るかもしれない、ということもあるし、変更を加えること自体もコストがかかる。若干のバッファを全体に設けていたりもしたので、そのバッファ内でやりくりできそうかを考えた上で対応した。バッファだけでなく、稼働率があげていけば、利益率は維持できるよね、という考え方も出来る。
2.価格に転嫁する
わかりやすい対応方法で言うと、価格に転嫁することが考えられる。
100円原価があがったのであれば100円ちょっとプラスして値上げを行う。当初、確か9,500円でスタートした築地ツアーは、内容の変更(場内がなくなったりとか、、、)、消費税の変更(8%?10%軽減税率面倒くさかった)、原価の変更(各店での値上げ)等でアップダウンを繰り返し、結局、現在の価格に収まっている。
3.代替を考える
お店との関係性もあるので、お店を変更することは、先方が対応が難しいという場合以外には積極的にやってこなかった。ただ、値段が度々見直される中で、「それ以上の値上げだと見直しせざるを得ない」とお伝えしたうえで、訪問先を切り替えたこともあった。
結果的にはユニークな訪問先が一つ増え、ツアー内容として磨き上げられたと感じている。
大事なのはゲスト満足度であり、口コミだ
先ほど書いた通りこれからもコストの上昇は続くだろう。
そうなると、努力で飲み込める範囲や代替は限定的になっていき、価格に転嫁する必要性に迫られる。
価格に転嫁した際に、みんなが恐れることは「買ってくれなくなるんじゃないか」というリスクだ。
これへのわかりやすい解決策は一つで「ゲスト満足度を見える化すること」=いい口コミを貯めることだと思っている。
ある事業者は、ツアー内容の見直し等もしているのだと思うが、コロナ前16,800円くらいで売っていたものを、今見たら25,000円くらいで販売していた。それでも多くのゲストが申し込んでいる様子が伺える。
これはこれまでに蓄積された口コミのパワーだ。
(これから買う人にとってはその口コミが、9800円の時に書かれた口コミか、16800円の時に書かれた口コミか、25,000円の時に書かれた口コミかは分からない。もちろん、25,000円分の価値がなければ、今後悪い口コミが入り平準化される可能性はあるが、人は多くの人が評価しているものを余程じゃなければ悪く評価できないという心理を持っているようにも思う。)
価格競争に巻き込まれずに健全にツアーを催行していく上では、今後、より、ゲストの口コミを蓄積していく事が大事だと感じている。
これは、ツアー事業者だけでなく、ガイド個人にとっても、ガイド費用の交渉材料になるので、意識をしてもらいたいポイントでもある。
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